みんなで集まっての写真撮影の際、撮影者の方は「はい、チーズ!」って言いますよね。

あれ、ずっとなんだろうと思っていたのです。

生まれてから幾度となく「はい、チーズ!」って言われて写真に収まってきましたが、いつも表情を固くしていました。

いま撮るから覚悟して→わかりました という、やり取りになっていたのです。

元は、英語の Say cheese! にあります。

英語で cheese と発音する際、口角が広がりニコッとした表情となるため、撮影者がSay cheese! (チーズと言って!)と言い、撮られる方はみんな cheeseと言って、ニコッとなるのです。

しかし、当然ながら、日本語で「チーズと言って!」と言われ、実際にチーズと言ってみても、口角が広がるわけもなく、一体どうなの… という感じになるのでしょう。

このため、「はい、チーズ!」となったのだと推察します。ずっと、チーズって何でだよ.. と思っていたので、調べてすっきりしました。

さて、少し Say cheese を掘り下げてみると、面白い歴史が出てきます。

Say cheese は笑顔の”瞬間”を撮るための呼びかけです。
では、より以前の時代、つまり写真が瞬間を切り取るのではなく、人生に数度の記念撮影であった頃はどうでしょう。

この当時に撮られた家族写真等の多くは、みんなカメラの方をみて、真面目な引き締まった表情をしています。

実は、この頃の呼びかけは、Say cheese ではなく、Say “prunes”(プルーン)だったのです。
英語でprunesと発音する際は、唇を閉じるからです! 興味深いですね。

Kodak社は、カメラを売るためにがんばりました。
カメラが、プロのカメラマンだけが持つものでなく、一般の人々が、家族の笑顔を撮るためのものだと、懸命に伝え、カメラは大衆が持つものと変化していったのです。

いまの時代はどうでしょう。
誰もがスマホを常時持ち歩き、写真どころか、いつでも”動画”を撮る時代です。

動画を適当に撮って、笑顔の瞬間のフレームだけを写真で切り出すことが容易にできます。

既に、若者にとっては、「はい、チーズ!」って何? という時代になっているのかも…

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