兼六園・金沢城公園周辺 みて歩きMap 英語版作成
| 兼六園周辺文化の森等活性化推進実行委員会様 |
| 自治体 |
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日本語→英語翻訳・デザイン・DTP・印刷 |

Overview 概要
兼六園・金沢城周辺には、石川県立美術館・いしかわ生活工芸ミュージアムなど、石川県の魅力を発信できるスポットが集結しています。2019年、石川県ではこうした観光資源を取り上げ、効果的に集客へ繋げるためのハンドブック(みて歩きMap)作成が決まりました。エクスプレッションズでは翻訳からデザイン、印刷までを一貫して手掛け、インバウンド集客の一助を担いました。
Work Details 当社の取組み
制作目的・要望のヒアリング
ハンドブックによる集客効果を上げるべく、依頼者からも予め文字のサイズや配置等を細かに吟味され、依頼時の提案も多くありました。本件ではデザインから当社で対応したため、可能な限り多くの希望を叶えられるよう、打ち合わせを通してヒアリングを重ねました。
親しみやすさ重視のデザイン考案
本件のコンセプトは、石川県に根付いた「武家文化」でした。石川県にはかつて「加賀百万石」と呼ばれる石高を築き、金沢の城下町をはじめとして文化が花開いた歴史があります。近年よりインバウンドの観光需要が高まるなかで、石川ならではの武家文化を「どのようにアピールし、来客の向上に繋げるか」という課題がありました。
当時、石川県や金沢エリアを取り上げたパンフレットでは、歴史・伝統を全面にアピールするため重厚感のある、やや畏まったデザインが多く見られました。その流行を踏まえると同様のデザインに則るのが妥当かと考えられましたが、これまで以上に訴求力を上げるため、本件では「より親しみやすく」というコンセプトを採用しました。
デザイン段階では「親しみやすさ」を感じさせるよう、よりポップな仕上がりを目指しました。特に、表紙は最も目に触れる部分のため、中央に載せる「武士」には敢えてポップなイラストを入れる、漫画のような吹き出しを随所に入れるなど、工夫を凝らしました。全体を通して、インバウンド旅行者が目的とする「日本らしさ」を感じられるデザインに仕上げました。


レイアウトを考慮した翻訳作業
本件のハンドブックは手のひらに収まるサイズのため、各所でスペースの制約が大きな課題でした。同じ意味のフレーズであっても、英語の文字数は日本語よりも約1.5~2倍に増えるのが一般的です。
また、石川県には、地域特有の文化財が多くあり、こうした用語にはより柔軟な翻訳が求められます。例えば「加賀友禅」などの固有名詞は、ローマ字のみで「Kaga Yuzen」と書かれていても、日本語が分からなければ意味が通じません。理解につなげるには「Kaga Yuzen Dyeing」のように、補足した訳出が欠かせないのです。 スペースに制約があるなか、文字数の削減と分かりやすさの両立を目指し、翻訳段階でも趣向を凝らしました。


ローカライズ重視のレイアウト編集(DTP)
本ハンドブックでは翻訳段階から可能な限りの文字数カットに努めましたが、「アピールポイントは文字サイズを大きくする」等クライアントの要望もあり、DTPでも試行錯誤を重ねました。文字サイズを小さくすると、スペースには収まったとしても読みにくくなるなど、単に「文字が入ればそれで良し」という単純な作業ではありません。写真・イラストなど、文字以外の配置や改行にも工夫を凝らし、デザインを活かしつつも読みやすさに配慮し制作しました。
また、当社のDTPでは、文字や配置の入れ替えのみで完了ではありません。その後さらに、ネイティブの翻訳者によるチェックを通します。配置や改行位置など、日本語と英語とではさまざまな観点で美しく見える基準が異なるため、入れ込み後にも翻訳者の目を入れて修正を重ねました。翻訳のみならず、レイアウトの工程までネイティブスタッフが関わることで、英語圏の文化に沿ってローカライズされた媒体へ磨き上げました。
読みやすさ重視の用紙選定・印刷
印刷業務では用紙の選定から行い、手にとって折りたたみやすい光沢紙を採用しました。折り方にも試行錯誤し、中面では本のようにページをめくって読める一方で、外面ではハンドブックを広げて大きな地図を見られるように、実用性と遊び心をもたせた制作物に仕上げました。
Summary まとめ
本件ではハンドブックをきっかけに、石川の各施設へ気軽に来訪できることを目指して、各ステップで訴求力を意識し、制作をしました。エクスプレッションズではデザインから印刷まで一貫した対応ができることは勿論、翻訳後のターゲット層に届くよう、すべての工程でローカライズを重視しています。長年にわたって多言語DTPの経験豊富なスタッフより、デザイン面でも多文化に沿った成果物を提供しています。