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いしかわ文化観光スペシャルガイド スキルアップセミナー

  • クライアント
石川県観光連盟様
  • 提供サービス
インバウンド対応講演の企画・構成設計、当日登壇(講師)

Overview

石川県観光連盟様からの受託により、「いしかわ文化観光スペシャルガイド スキルアップセミナー」にて、インバウンド対応をテーマとした講演とワークショップを実施しました。会場は浅の川園遊会館様で、普段は芸妓さんの芸をご覧いただけるお座敷として使われている、美しく特別な空間で実施されました。対象は石川県内で活動する経験豊富な現役ガイドの皆様で、海外からの旅行者と接する中で生じる「伝え方」の課題に向き合う内容として企画されました。当社は講演内容の設計から当日の実施までを一貫して担当しました。

Work Details

講演:インバウンドの最新動向と「伝わるガイド」とは

最初に、石川県のインバウンド市場の最新動向をデータで共有した上で、石川に訪れる訪日旅行者が何に関心を持っているかを掘り下げてお話しました。日本に対する関心の対象やその背景には、国によって異なる傾向が見られます。たとえば、フランスのお客様には、経年変化を愛でる文化を背景に「手技を何世代にもわたって継承する価値観」への共感が比較的強く見られます。こうした傾向について、当社のお客様の一次情報と、観光庁が公表する訪日動機の統計データを用いながら国ごとに解像度を変えて提示しました。

一方で、このように国ごとに傾向はあるものの、それはあくまで傾向でしかなく、「外国人」とひとまとめに捉えてしまう危うさ、ステレオタイプ化のリスクについても触れました。近年、観光分野においては特に「外国人視点」という言葉が多用されていますが、実際にそれらをひも解くと、一人ひとりの主観の集合体でしかないこと、大切なのは、目の前にいるその人自身を見ることだというメッセージを伝えました。

講演全体では、受講者自身が自ら気づく体験を大切にし、ところどころでクイズを出題しながら、自分の思い込みと実際のずれに気づいてもらい、そのうえで種明かしをするという流れを組み立てました。知識を一方通行で伝えるのではなく、受講者もインタラクティブに参加できる構成を目指しました。

ワークショップ:ローカライズフレームワーク・3層構造の実践

ワークショップでは、英語ガイディングにおける3つの技術を練習しました。1つ目は、日本文化の背景を知らない訪日旅行者に対して、まずは前提を疑い、その上で、前提を揃えること。2つ目は、「3層構造(What→Why→Universal)」で伝えること。3つ目は、相手の興味や知識、使える時間に応じて説明の深さを調整する、いわば「その人自身をしっかり見る」こと。

この3つの技術は、既存の理論を輸入したものではなく、当社が多言語での解説文制作や、観光ガイディングといった現場経験を積み重ねる中で、独自に築き上げてきた手法です。「なぜ伝わらないのか」「どうしたら海外の方に日本の価値が伝わるのか」を徹底的に考え抜き、そこで得た論点、気づきや工夫を一つひとつ言語化してきました。さらに、論理の飛躍や矛盾がないかを検証しながら磨き上げ、現場で実際に使える形にまで落とし込んだ、当社のノウハウの結晶とも言えるものです。

題材には、訪日旅行者に人気のある兼六園のことじ灯籠と、ひがし茶屋街の茶屋建築を取り上げ、この3つの手法を実践しました。受講者は2グループに分かれ、提示した手法を基に説明文を考え、発表し合いました。その後、同じ説明を異なる相手像に合わせて調整し直し、何を変えたか、なぜ変えたかを振り返りました。

ワークショップでは活発な議論が交わされ、多様な意見が出ました。受講者からは、自身の専門分野にもこの視点を取り入れたいという振り返りも寄せられ、提示した手法をそれぞれのガイドが自身の実務に結びつけて捉えていることがうかがえました。

Summary

セミナー実施後のアンケートでは、講演・ワークショップの両パートで「とても満足」「満足」が回答の大半を占め、不満を示す回答はありませんでした。また、「今後のガイド活動に活かせそうか」という設問には、回答者全員からYesの回答を得ることができました。知識を得るだけでなく、実際のガイド活動に取り入れられる内容として受け止められたことがうかがえます。

今後も、当社が現場で培ってきた対応力や、訪日旅行者との直接の対話を通じて得た一次情報を、研修・セミナーを通じてさまざまな事業者様に還元し、地域のインバウンド活性化を継続的に支援していきたいと考えています。